合洗浄消毒システムでは、法定消毒における「家庭用洗剤」を使用した洗浄過程を、医療現場における使用済内視鏡洗浄などに使用されている弱アルカリ性洗剤「洗浄ルネサンス」を使用しております。法定下では「スポンジ等を用いてこする」とありますが、スポンジ自体が汚染される危険性を考慮し「浸漬(噴霧)洗浄」としております。非イオン系界面活性剤8%と泡立ちも少なく、陰イオン系界面活性剤(石鹸)や陽イオン系界面活性剤(逆性石鹸)などにも影響を与えません。つまり、シェービングブラシなどの洗浄に適しております。

洗剤には「イオン界面活性剤」と「非イオン界面活性剤」があります。「イオン界面活性剤」には「陰イオン」「陽イオン」の二種類(他には陰陽イオンの両性界面活性剤)があります。医療器具を洗浄する際には、陽イオン活性剤である逆性石鹸(塩化ベンゼトニウム)が含まれた洗浄剤を使用されていたそうです。しかし逆性石鹸はタンパク質を固める性質もある為、タンパク質が器具に残っていると汚れを固めてしまいます。そこで現場では炭酸ナトリウムもしくは酵素が含まれたタンパク質除去剤を使用した後に、逆性石鹸系洗剤で器具洗浄する工程が行われてきました。さらに、濃度によっては逆性石鹸はゴムなどを劣化させるデメリットもあります。そこで、法令では「陰イオン界面活性剤」である家庭用台所洗剤が指定されております。しかし泡立ちが良すぎ、排水後の環境への影響もよくありません。
 
「複合洗浄消毒システム」では、新しい医療用洗浄剤「洗浄ルネサンス」を使用しております。タンパク質を浮かし分解する炭酸ナトリウム、オキシドール、酵素などが配合され、タンパク質除去と洗浄を一度の工程で行えます。洗浄ルネサンスは人からでる脂や血などタンパク質汚れに強力な分解洗浄作用を発揮しますので、シェービングブラシの洗浄などに大きな威力を発揮します。また洗浄力が強い弱アルカリ性ですが、金属や樹脂ゴム類にも影響がなく、漂白もしません。弱酸性のフィリオ30との併用で、洗浄力がある「弱アルカリ性域」と殺菌力がある「弱酸性域」の両域が「複合洗浄消毒システム」の消毒力の基本です。また、非イオン界面活性を使用しており環境にも優しく、泡切れも早く、さらには他の石鹸(シェービング石鹸など)に影響を与えません。
 
注:カビなどに対しては塩素系の界面活性剤が多く含まれた洗剤が適しているので、掃除では万能剤ではない事は注意してください。

 

「洗浄ルネサンス」<汚染血液による除タンパク効果試験>北里環境科学センター試験結果

洗浄ルネサンスは、医療現場では使用済の内視鏡洗浄に使用されている弱アルカリ性の脱タンパク質洗浄剤です。炭酸ナトリウムでタンパク質を剥がし、配合されたオキシドール成分や酵素がタンパク質を分解します

 ・200倍希釈溶液(2Lあたり約120円)

理美容店では、200倍希釈液は血液などタンパク質で汚染された器具の洗浄剤濃度として使用します。

>器具に付着したタンパク質(血液)除去試験~200倍希釈液10分浸漬98.8%除去

・400倍希釈液(2Lあたり約60円)

超音波洗浄剤濃度ですが、理美容店ではシェービングブラシなどの通常時の洗浄濃度として使用します。超音波を使用しなくても、理美容店で使用する範囲での汚れなら400倍希釈でも対応でき、コスト的にも優れた濃度です。

洗浄ルネサンスの試験データは北里大学にある北里環境衛生研究センターによるものです。原本にも記されてますが、洗浄ルネサンスによる試験データであり、データとしての確証性は、他の洗剤に対するデータではありません。

 

防錆効果と幅広い材質(金属・ミラー・ゴム類・ガラス・プラスチック等)にやさしく非漂白性です。器材にやさしい洗浄剤ですが、50倍希釈した洗浄ルネサンスに器具を28日間浸漬していても、漂白や変色、錆等の問題はありませんでした。

洗剤ルネサンスの有効的特徴

  • 石油系界面活性剤、蛍光材を使用していない。
  • 非イオン界面活性剤を使用。
  • 泡立ちも少ないので、濯ぎが簡単。
  • 金属への錆
  • ゴムや鏡面などへの影響が少ない。
  • 生体分解されるので環境にやさしい。

*使用後は必ず水道水で完全に成分を洗い流してから御利用ください。また自然素材(ブラシなど)は、必ず薄い濃度で確かめてから使用してください。全て自己責任の元で管理してください。

【血液汚染器具に対する除タンパク効果】
【試験目的】
実験的に血液で汚染させた歯科用器具を、医療器具用洗浄剤「洗浄ルネサンス」希釈 液に浸漬、または超音波処理後に、器具に残留するタンパク質を定量して、除タンパク 効果を確認することを目的とした。 
 【試験品】
医療器具用洗浄剤「洗浄ルネサンス」;紛体 
【試験材料】

  1. 汚染対象品:歯科用器具「ミラートップ」(「Dental Mirror」吉田ミラートップ#4)
  2. 汚染物質:緬羊全血液, ヘパリン処理 ((株)日本バイオテスト研究所, Lot.190)
  3. 試験品希釈液:3 DH 硬水(JIS K 3362);日本の水道水の硬度条件を反映したもの 

【試験条件】

  1. 血液の塗布方法;ミラートップに血液塗布後、直ちに浸漬または超音波操作

【測定条件】

  1. 「洗浄ルネサンス 50 倍希釈液」5 分間浸漬後、30 秒間水道水浸漬
  2. 「洗浄ルネサンス 200 倍希釈液」10 分間浸漬後、30 秒間水道水浸漬
  3. 「洗浄ルネサンス 400 倍希釈液」超音波 10 分間処理後、 30 秒間水道水浸漬 

【試験結果】
初発の血液塗布直後のミラートップから洗い出されたタンパク質量 160 μg/mL を基
準とした。
浸漬試験:「洗浄ルネサンス 50 倍希釈液」5 分間浸漬後、30 秒間水道水浸漬後のミラートップに残留したタンパク質量平均値は、3.2 μg/mL (除去率 98.0 %) となった。
超音波洗浄器使用:「洗浄ルネサンス 200 倍希釈液」10 分間浸漬後、30 秒間水道水浸漬後のミラ ートップに残留したタンパク質量平均値は、2.7 μg/mL (除去率 98.3 %) となった。測定 条件3「洗浄ルネサンス 400 倍希釈液」超音波 10 分間処理後、 30 秒間水道水浸漬後 のミラートップに残留したタンパク質量平均値は、1.3 μg/mL (除去率 99.1 %) となった。 


【浸漬試験】

【試験水】
洗浄ルネサンス200倍希釈濃度
【試験材料】
合成ゴム、ステンレス(歯科用シリコンポイント)ポリカーボネート樹脂(歯科用開口器)、プラスチック、ゴム(歯科用バキュームホース及びホルダー)、鏡器具(歯科用ミラートップ)、スチール(歯科用スチールバー)
【浸漬時間】
24時間
【試験結果】

  • 合成ゴム
  • ステンレス(歯科用シリコンポイント)/変化は観察されなかった。
  • ポリカーボネート樹脂(歯科用開口器)/変化は観察されなかった。
  • プラスチック/変化は観察されなかった。
  • ゴム(歯科用バキュームホース及びホルダー)/変化は観察されなかった。
  • 鏡器具(歯科用ミラートップ)/変化は観察されなかった。
  • スチール(歯科用スチールバー)/変化は観察されなかった。

【考察】
本試験では、医療器具用洗浄剤「洗浄ルネサンス」希釈液浸漬、または超音波処理に よる、血液汚染器具に対する除タンパク効果を検討した。本試験結果から、全ての測定条件で 98%以上の除去効果が確認された。 


【浸漬試験】

【試験水】

  1. 医療器具用洗浄液「高濃度スーパー弱酸性洗浄水・フィリオ 30」;5倍希釈液使用 (有効塩素濃度 100 ppm、pH 6.0 ± 0.5)

【試験材料】
スチール(歯科用スチールバー)
【浸漬時間】
10分間
【試験結果】

  • スチール(歯科用スチールバー)/腐食は観測されなかった。


ATP測定法(ATPそくていほう)とは、すべての生物の細胞内に存在するATP(アデノシン三リン酸)を酵素などと組み合わせて発光させ、その発光量(Relative Light Unit;RLU)を測定する方法のことである。ATPふき取り検査とも呼ばれる。細胞内の存在するATPは、酵素であるルシフェラーゼなどと反応させることにより発光する。この発光量はATP量が多いほど発光量(Relative Light Unit;RLU)が増す。この方法を利用して、食品業界や医療機関などでは器具の汚染調査、清浄度調査などに利用されている。これは、細菌や残渣などの汚染物質が残っているとATPが存在し、発光することによりモニタリング法として適切な衛生管理が行うことができるとされている。なお、この検査方法は、厚生労働省監修の「食品衛生検査指針微生物編2004」にも掲載されている。現在、ATP測定法により微生物の同定などを行うことはできない。宇宙開発分野では、惑星などで生物が存在しているかどうかの方法としてATP測定法が活用されている。2001年にキッコーマン株式会社が開発したATP測定器「ルミテスターPD-10」、2009年に発売された「ルミテスターPD-20」は、従来のATPだけではなく、ATPが加熱・変形したAMP(アデノシン一リン酸)も測定することができ、より精密な測定が行えるようになった(特許No.3409962)。

ウィキペディアよりhttps://ja.wikipedia.org/wiki/ATP測定法

複合洗浄消毒システムATP測定試験

理容店におけるATP検査

【試験日】
平成28年2月11日


【使用薬剤等】
・洗浄ルネサンス(200倍希釈液)
・高濃度次亜塩素酸フィリオ30原液(500ppm)


【計測器具】
・ATP計測器:ルミテスター(キッコーマン製)


【洗浄対象物】
・シェービングブラシ
・替刃式剃刀


【対象物試験方法】
・試験物を理容店にてでた刈毛(人毛)と水溶性性整髪料を混ぜた微温湯に24時間浸漬


【検査方法】
理容店営業中と同じ状況下を想定し、検査を意識しないシンプルな作業を心掛けた。検査体の初期測定値を測る前の流水洗浄においては、法定消毒下で指定されている10秒以上ではなく、付着した刈毛(毛髪)を流す程度にしている。


【検体状態】
・シェービングブラシがこれだけの脂に汚染される環境は、通常の施術環境下では考えられない。しかし、石鹸を使用せずに直接剃った場合や、オイルなど使用した多様化するシェービング技術を踏まえて検査準備をした。
 
・剃刀はシェービングブラシ同様、通常以上の汚染環境にて浸漬させた。通常の施術環境下では刃部位以外は、シェービング工程において脂などが付着する可能性は低いが、剃刀全体に汚染させている。剃刀本体も新しいと金属部分の汚れが付着しづらいため、あえて10年以上前の古い剃刀を使用した。


【その他】
ティッシュペーパー


【検査結果】
シェービングブラシ/作業時間 1分
1・流水洗浄して計測/5341
2・洗浄ルネサンスをブラシ中心部に噴霧、軽く揉み洗いして水洗して計測/169 除去率96.9%
3・フィリオ30をブラシ中心部に噴霧して計測/96 除去率98.2%
 
・剃刀/作業時間 1分
・流水洗浄して計測/581
・ティッシュペーパーで包んで洗浄ルネサンス噴霧し、ティッシュにて拭き取り後に計測/207 除去率64.4%
・ティッシュペーパーで包んでフィリオ30を噴霧し、ティッシュペーパーにて拭き取り後に計測/45 除去率93%


【シェービングブラシ測定結果考察】
今回のシェービングブラシは脂に長時間浸漬させているが、実際はシェービングソープ(陰イオン界面活性剤)をブラシ内に含ませているので、最初の流水洗浄で泡と共にかなりの量のタンパク質は除去されると思われる。試験では、あえてタンパク質汚染された状況から行っている。
 
複合洗浄消毒システムにおける「第一次洗浄消毒」としてブラシ内部に洗浄ルネサンスとフィリオ30を噴霧して計測した。洗浄ルネサンスに含まれる成分(注1)は浸漬することにより効果が発揮されるため、2の計測値は非イオン界面活性剤と流水によるものと考えられる。この工程は「理容師法施行規則第25条」における洗浄工程を「非イオン界面活性剤」でシェービングブラシにも適応しているが、流水工程を増やすことにも意義があると思われる。その後に高濃度次亜塩素酸弱酸性水溶液「フィリオ30」をブラシ中心部に噴霧し、軽く絞った状態で計測しているが、2の数値は変化して最終的には3の数値は98.2%の汚染物質除去率となっている。
 
フィリオ30原液(500ppm)噴霧後は流水洗浄せずに自然乾燥させるが、その間にフィリオ30の第三者試験機関による効果(注2)が作用していくと考える。フィリオ30は、他生成法(2液/電解生成法)に比べても不純物がなく、次亜塩素酸自体は水に変化する性質とフィリオ30の安全性試験データ(注3)から考えても、その後の施術に使用しても問題ない。因みに、血液汚染の場合は最後にブラシ部分の煮沸消毒工程が必要である。


【剃刀測定結果考察】
クラシカルシェービングては、ラザーリングでの石鹸(陰イオン界面活性剤)において肌上のタンパク質は除去されているため、現場では1の数値程は高くないと推測される。
 
複合洗浄消毒システムにおける「第一次洗浄消毒」として洗浄ルネサンスのティッシュペーパーでの浸漬拭き取り作業は、「理容師法施行規則第25条」における洗浄工程を「非イオン界面活性剤」で対応している。ただ、行政指導においては「スポンジ」で擦って洗浄とあるが、「スポンジ」の汚染については触れていない。この「スポンジ」は使い捨てと指定されておらず、「使い回し」と考えると「スポンジの衛生管理問題」が発生する。このような理由から、複合洗浄消毒システムではティッシュペーパーを使用している。この時点の2の数値は「207」であり除去率64.4%であるが、これはティッシュペーパーにて物理的にタンパク質が除去されていると思われる。
 
さらに、再度ティッシュペーパーで剃刀を包んでフィリオ30原液(500ppm)を噴霧する。放置(他の器具の洗浄作業時間程度)した後に、ティッシュペーパーで水分を拭き取り、次の工程「第二次基礎消毒」の「エタノール浸漬」に移行させる。この時点が3の数値で、「45」除去率93%となっている。今回は脂の中に浸漬させて剃刀全体を付着させているための数値であり、通常のシェービング環境下では、更に除去率が高いことが予想される。フィリオ30においては第三者試験機関による効果(注4)が1分以下で不活性化が実証されているので、放置の時間目安としたい。また、ティッシュペーパーによる浸漬により、限られた量による作用になる為に、替刃への影響は考えられない。
 
エタノールはタンパク質凝固作用もある為に、エタノール浸漬による数値低下は僅かになる。その為、複合洗浄消毒システム下ではエタノール浸漬後の剃刀は第三次保管消毒として、洗浄ルネサンス200倍希釈液に浸漬させて保管させる。成分(注1)の働きでタンパク質98%除去が第三者試験機関により実証(注5)されている。この事から、複合洗浄消毒における「第一次洗浄消毒」「第二次基礎消毒」「第三次保管消毒」工程を経た剃刀はタンパク質汚れが除去され、菌やウイルスの不活性化状態であることが立証される。


注1:酵素・オキシドール成分・炭酸ナトリウム・非イオン界面活性剤(エーテル系)・他
 
注2:「血液汚染器具に対する除タンパク効果(北生発21_0817_1号)」・「ウシ下痢症ウイルス(C型肝炎ウイルス)不活性化試験(北環発24_0025号)」・「血液負荷芽胞(枯草菌)に対する殺菌効果試験(北生発24_0231号)」
 
注3:「水質検査結果報告書(報告番号00815934-1)」・「緩衝法次亜塩素酸水溶液の解放オープンパッチテスト」
 
注4:「ウシ下痢症ウイルス(C型肝炎ウイルス)不活性化試験(北環発24_0025号)」・「血液負荷芽胞(枯草菌)に対する殺菌効果試験(北生発24_0231号)」
 
注5・医療器具用洗浄剤「洗浄ルネサンス」による血液汚染器具に対する除タンパク効果の検討(北生発25_0350号) 

複合洗浄消毒nanoシステムATP測定試験

訪問理容において、訪問先で水道による流水洗浄ができない環境を想定した試験を行った。試験物をフィリオ30ナノにて洗浄消毒を行い、洗浄成分をフィリオ30噴霧により流水洗浄を行っている。


理容店におけるATP検査

【試験実施日】平成27年11月2日


【使用薬剤等】
・分散+殺菌剤:フィリオ30nanoクリーナー(※)
・殺菌剤:フィリオ30(原液および5倍希釈)


【計測器具】
・ATP計測器:ルミテスター(キッコーマン製)


【洗浄対象物】
・剃刀
・シェービングブラシ
・鋏
・トリマー刃
・手指
・布


【その他】
・泡立て用シェービングソープ
・拭取用ティッシュペーパー
・拭取用ウェットティッシュ


【対象物試験方法】
・試験物を理容店にてでた刈毛(人毛)と水溶性性整髪料を混ぜた微温湯に10時間浸漬


 【剃刀】
 フィリオ30nanoクリーナーを噴霧30秒し、ティッシュペーパーにより拭取ります。その後にフィリオ30原液(500ppm)を噴霧により洗浄成分を洗い流し、エタノールに10分浸漬させ測定。

洗浄前ATP値1,576/洗浄消毒後ATP値0.8(汚染物除去率99.2%)

 【シェービングブラシ】
 フィリオ30nanoクリーナーを噴霧30秒し、ブラシ部分を揉み込みます。その後にフィリオ30原液(500ppm)を噴霧により洗浄成分を洗い流して測定。

洗浄前ATP値3,424/洗浄消毒後ATP値2.3(汚染物除去率97.7%)

 【鋏】
 フィリオ30nanoクリーナーを噴霧30秒し、ティッシュペーパーにより拭取ります。その後にフィリオ30原液(500ppm)を噴霧により洗浄成分を洗い流し、ティッシュペーパーで拭取り測定。

洗浄前ATP値2,601/洗浄消毒後ATP値44(汚染物除去率98.3%)

 【トリマー(刃部位)】
 フィリオ30nanoクリーナーを噴霧30秒し、ティッシュペーパーにより拭取ります。その後にフィリオ30原液(500ppm)を噴霧により洗浄成分を洗い流して測定。

洗浄前ATP値1,406/洗浄消毒後ATP値21(汚染物除去率98.5%)


【考察】
剃刀、シェービングブラシ、鋏、トリマー刃 においては、従来の洗浄方法に較べ、汚れの残留率が格段に下がった。原因は、フィリオ30ナノが油脂やその他の粘性成分を微細化分散させ、粘着した汚れが被洗浄面から遊離し、水流やティッシュにより容易に除去されるようになるためと考えられる。
 
顕微鏡観察では、シェービングブラシから採取したサンプルを比較すると、洗浄前と較べ、洗浄後のサンプルの方が汚れや細菌のようなものが少なくなっていることが確認できる。
 
訪問先での複合洗浄消毒システムにおける洗浄過程において、フィリオ30は、殺菌効果を担うものであるのに対して、フィリオ30ナノは洗浄効果を担うものであり、殺菌洗浄工程としては双方を洗浄工程に組み込む必要がある。
 
細菌はタンパク質汚れの中に存在し、またタンパク質汚れの中で増殖する。また、肝炎やHIVなどのウイルスは血液の汚れの中に存在する。したがって、衛生管理上、殺菌効果を得るためには汚れを除去することが非常に重要であるが、被洗浄面に皮脂の付着があると、水、アルコールなどは油を落とす力が小さいため、皮脂と混ざった汚れが落ちにくい。フィリオ30ナノは皮脂を超微細粒子状に分散させるため、油も汚れも被洗浄面から除去する効果がある。
 
以上より、水道水による流水洗浄ができない環境下での殺菌洗浄にはフィリオ30ナノを組み込んだ洗浄工程が効果的である。

追加試験

 【手指】
  試験溶液に浸漬させた手指にフィリオ30nanoクリーナーを噴霧し10秒擦ります。その後にフィリオ30の5倍希釈(100ppm)を噴霧により洗浄成分を洗い流して測定。

洗浄前ATP値2,479/洗浄消毒後ATP値22.8(タンパク除去率99.1%)

 【手指】
 試験溶液に浸漬させた手指を、アルコールウェットティッシュで拭取り後に測定。

洗浄前ATP値3,406/洗浄消毒後ATP値5,586(タンパク除去率ー64.0%)

 【考察】
訪問先で水道水による流水手洗いができないことを想定した試験です。フィリオ30ナノとフィリオ30による洗浄により手指についたタンパク質汚れを除去することができた。しかし、エタノールが含まれたウェットティッシュで拭いた場合では、逆に値が増加しています。これは、ウェットティッシュだけでは感染予防ができないことを示してます。これは手指洗浄する流水施設がない店舗では、技術者の手指が感染源になっている可能性を示唆している。


歯科におけるATP検査・1

【試験実施日】平成27年12月3日


【使用薬剤等】
・分散+殺菌剤:フィリオ30nanoクリーナー(※)


【計測器具】
・ATP計測器:ルミテスター(キッコーマン製)


【洗浄対象物】
・歯科用ミラー


【その他】
・エタノールワッテ
・拭取用ティッシュペーパー


【対象物試験方法】
・従来方法
使用済試験体(洗浄前)をATP計測し、エタノール浸漬20秒から拭取り後にATP計測
・新規方法
使用済試験体(洗浄前)をATP計測し、フィリオ30nanoクリーナー浸漬20秒から拭取り後にATP計測


 【従来方法】

洗浄前ATP値27,591/洗浄消毒後ATP値12,545(汚染物除去率56.5%)

 【新規方法】

洗浄前ATP値26,708/洗浄消毒後ATP値97(汚染物除去率99.6%)


【考察】
■歯科用ミラーについて
従来の方法では45.5%もの汚れが残留していたのに対し、新規の方法では0.4%まで残留率が低下していた。これも洗浄の際、ミラー表面に付着していた汚れを、フィリオ30ナノが脂肪分やタンパクなどの粘性を低下させることで、より高率に剥離した事による効果だと考える。脂肪分やタンパク高分子などの分散効果により、殺菌剤の効きも当然高まっている


追加試験

 【歯科用タービン(外側)における洗浄試験】
エタノールワッテによる拭取り

洗浄前ATP値1,625/洗浄消毒後ATP値363(汚染物除去率77.7%)

 【歯科用ミラーにおける洗浄試験】
エタノールワッテによる拭取り

洗浄前ATP値27,591/洗浄消毒後ATP値12,545(汚染物除去率54.5%)

 フィリオ30nanoクリーナー噴霧からティッシュペーパーによる拭取り

洗浄前ATP値26,708/洗浄消毒後ATP値97(汚染物除去率99.7%)


歯科におけるATP試験・2

【試験実施日】平成27年9月24日


【使用 除菌剤等】
・分散+弱酸性次亜塩素酸・洗浄除菌スプレー:フィリオ30nanoクリーナー
・次亜塩素酸弱酸性水: フィリオ30(5倍希釈)


【計測器具】
・ATP計測器:ルミテスター(キッコーマン製)


【洗浄対象物】
・シリコーン印象物(歯型)
・ミラー
・スポンジ


【その他】
・拭取用カットメン


【実験目的及び方法】
①シリコーン印象物(歯型)における洗浄試験 
➡歯を印象物で歯型取り(下顎側全体)
➡型取り直後に印象物をATP測定(洗浄前)
わずかに濡らして顕微鏡観察用サンプルを採取
➡印象物を軽く水洗いし、ATP測定、及び、顕微鏡観察用サンプル採取
➡フィリオ30nanoクリーナーを噴霧して60秒放置後、ATP測定、及び、顕微鏡観察用サンプル採取
➡フィリオ30<5倍希釈>を噴霧後、ATP測定、及び、顕微鏡観察用サンプル採取
 
②ミラーにおける洗浄試験 
➡使用後のミラーをATP測定(洗浄前)
➡フィリオ30nanoクリーナーをスプレーし、60秒放置後ATP試験
➡フィリオ30<5倍希釈>を噴霧し、カットメンで拭き取り後、ATP測定
 
③スポンジの洗浄試験 *手洗い
試験対象;新しいスポンジに水を吸わせ、シンクをこすったもの。
➡スポンジを絞り、絞り液をATP測定(洗浄前) 及び、顕微鏡用サンプル採取
➡フィリオ30nanoクリーナーでもみ洗いし、水道水で濯いだ後
絞り液をATP測定(洗浄後) 及び、顕微鏡用サンプル採取
 
④採取したサンプルの顕微鏡観察


 【シリコーン印象物(歯型)における洗浄試験】

洗浄前ATP値225,771/水洗い後ATP値110,101(汚染物除去率48.8%)
フィリオ30nanoクリーナー洗浄後ATP値1,567(汚染物除去率99.3%)
フィリオ30(5倍希釈)ATP値916(タンパク除去率99.6%)

ミラーにおける洗浄試験】

洗浄前ATP値151,498/フィリオ30nanoクリーナー洗浄後ATP値1,199(汚染物除去率99.2%)
フィリオ30(5倍希釈)ATP値223(汚染物除去率99.9%)

スポンジの洗浄試験】

洗浄前ATP値648/フィリオ30nanoクリーナー洗浄後ATP値33(汚染物除去率95%)


歯科におけるATP試験・3

【試験実施日】
平成28年01月25日


【使用薬剤等】
・分散剤:ロータスクイーン(以降ロータス)


【計測器具】
・ATP計測器:ルミテスター PD-20(キッコーマン製)


【洗浄対象物】
・歯科用ミラー
・スポンジ
■試験状況
・歯科用ミラー(洗浄前)➡歯用スポンジで3人の口内を擦り、汚れを一つの容器に集めたものをミラーに付け、洗浄前の汚れとした。


【試験1】

洗浄前ATP値147,020/ロータスクィーン(原液)浸漬10秒し水洗い後ATP値609(汚染物除去率99.6%)

【試験2】

洗浄前ATP値218,255/ロータスクィーン(100倍希釈)浸漬5分し水洗い後ATP値521(汚染物除去率99.8%)

【試験3】

洗浄前ATP値145,619/ロータスクィーン(500倍希釈)超音波洗浄浸漬5分し水洗い後ATP値16(汚染物除去率99.99%)

【考察】
【歯科用ミラー】
試験1:ロータス原液および試験2:ロータス×100倍希釈では残留率は低いものの若干汚れが残留している状態でした。一方、試験3:×500倍希釈+超音波洗浄の結果は残留率が他の結果と比べ、1/20まで低下し高い洗浄力を発揮しました。