法定消毒を理解する、ということ。

・理美容店における消毒の主役?ただし、濃度管理が難しいので注意。

タンパク質の凝固作用と脱水作用により、細胞膜など外膜に対して浸透圧による外圧が加わり、溶菌作用(細菌の細胞が細胞壁の崩壊を伴って破壊され、死滅する現象)で殺菌します。40%から80%までの中濃度では細菌の表面に疎水成分が膜を作り細胞膜/タンパク構造を破壊し、エタノールが浸透し内圧を弱めて脱水させ溶菌させます。高濃度では、脱水作用が大きすぎて細胞膜/タンパク質の変型が大きく外圧により固めてしまい、エタノールが細菌内部に浸透する事ができず溶菌作用を弱くしてしまいます。細胞膜/タンパク質の変化、浸透力、脱水作用の効果が強く作用する濃度が76.9~81.4%という事になります。ゆえに、無水エタノールでは、殺菌効果は弱いとされてます。地域により酒税対象の消毒用エタノール使用に限定されている地域がありますが、薬剤業界で濃度以外では消毒毒効果が変らないとして「酒税」対照外のエタノールが消毒用として、医療業界などにも薦められている現状があります。
 

エタノール濃度と消毒効果の関係

40%以下:細菌(ウィルス)内部にエタノールが侵入するも、内部のアルコール分解酵素により無効化。

 

76.9~81.4%:細菌(ウィルス)内部にエタノールが効率よく侵入し、溶菌(不活性化)させる。

 

90~100%:細菌(ウィルス)外部にエタノールが大挙して侵入しようとして、逆に侵入できない。

広範囲に使用できる消毒液です。血液付着の可能性があるシェービング剃刀は蓋付容器内にいれてあるエタノールにて10分以上(保健所指定時間)漬け置き消毒しますが、血液を完全に洗い流した状態にしてからでないと、血液に含まれる「たんぱく質」が殺菌作用を邪魔する事になり、殺菌能力が落ちますので注意してください。また、道具を入れる際には水分を拭き取ってから容器にいれないと、水分が加わる事により有効濃度が低下するので気をつけてください。拭き取る際の布も、専用布を使用してください。スプレーヤーに入れる事により、鋏や櫛の施術前消毒も簡単に行えます。噴霧後はエタノールが含まれたウェットテッシュで綺麗に拭き取ってください。また、クロスや椅子などの除菌にも気軽に使用できますが、色落ちテストを行ってからにしてください。
 

エタノールの注意点

・濃度管理が、消毒能力に比例する。
・酒税が含まれたエタノールは高価。
・消毒能力をあげる添加物入のは酒税非課税の為に安価。
・一斗缶で5000円程の消毒に適したエタノールもアリ。
・消毒法においては理美容店での消毒剤の主役。
・鋏やトリマー(バリカン)の刃にも使用できる。
・高濃度過ぎても殺菌効果は弱い。
・タンパク質除去しなければ、効果半減の危険性。

 

・扱いが難しいが、コストパフォーマンスは絶大。

「塩素系消毒剤」としての消毒力は次亜塩素酸ナトリウム中の細胞壁表面への酸化成分である「次亜塩素酸イオン CIO-」と、細菌/ウィルス内部まで浸透して強い酸化作用を起こす「次亜塩素酸 HCIO」の割合比はpH値で決まります。

「次亜塩素酸 HCIO」と「次亜塩素酸イオン CIO-」の割合比

 

市販の塩素系漂白剤はpH10以上の強アルカリ性

その領域では溶菌(不活性化)成分である「次亜塩素酸イオン CIO-」が99.7%で、さらに強い溶菌(不活性化)能力がある「次亜塩素酸 HCIO」はわずか0.3%しか存在しません。そこで、水で薄めてpH値を変化させていきます。

血液汚染器具用希釈濃度0.1%(保健所指定)

保健所で指定されている濃度には2種類あります。濃度0.1%は血液汚染されたタオルなどの消毒濃度として指定されております。0.1%ですとpH9になり「次亜塩素酸 HCIO」は約3%程、「次亜塩素酸イオン CIO-」が約97%程です。次亜塩素酸による殺菌力は僅かに上がった程度です。

血液汚染器具用希釈濃度0.01%(保健所指定)

保健所で指定されている濃度には2種類あります。濃度0.01%は一般的に使用する消毒濃度として指定されております。0.01%ですとpH8.75になり「次亜塩素酸 HCIO」は約5%程、「次亜塩素酸イオン CIO-」が約95%程です。次亜塩素酸による殺菌力は0.1%よりも上がっております。


次亜塩素酸ナトリウムを水で薄めて弱酸性域に近づける消毒方法です。生成される水溶液はpH8からpH9のアルカリ性域。一般的に家庭用塩素系漂白剤を使用しますが、同じ塩素系漂白剤でも数種類あります。それは「メディカル」「病院用」「家庭用」「台所用」の種類。「メディカル」は本来の消毒剤としての製品で、医療用として理美容師では購入する事ができません。「病院用」「家庭用」は理美容室で使われるもので容易に購入でき、大きな違いはないと思われます。「台所用」は洗浄成分が加えらており、保健所によっては使用が認めらていない場合があるので注意してください。家庭用漂白剤原液の場合はpH10で次亜塩素酸イオン99.7%、次亜塩素酸は0.3%という比率となっています。理容店における消毒法において通常は0.01%水溶液での浸漬消毒を義務付けられているが、血液付着時は0.1%水溶液を指定されてます。0.01%(100ppm)時はpH8.75で次亜塩素酸イオンは95%、次亜塩素酸は5%の比率となります。0.1%(1000ppm)時はpH9.5で次亜塩素酸イオンは99%、次亜塩素酸は1%となります。しかし、次亜塩素酸本来の強力な酸化作用をもつ次亜塩素酸HClOは、pHの関係で通常の0.01%溶液の方が多く存在するのです。よって法定消毒において塩素系漂白剤を用いる消毒とは、次亜塩素酸イオンの酸化作用(漂白)による細菌やウィルスの蛋白質分解による溶菌および不活性化作用といえるでしょう。塩素系漂白剤においては水酸化ナトリウムも含まれるが、pHの調整を目的として「アルカリ性水溶液中の次亜塩素酸は塩素を発生しない」という安全につながるために使われています。アルカリ性において汚れが膨潤、軟化するために汚れが落ちやすくなる作用は2次的な目的と思われます。注意すべきは「混ぜるな危険」との表記のように、酸性の薬液を混ぜてpH3以下になると塩素ガスが発生し危険な事。またアルカリ性域においては鉄は溶液に溶け出さない為に、次亜塩素酸イオンOCl-による酸化作用により鉄表面に酸化鉄(赤錆)が付着します。その為に、理容店においては剃刀や鋏などの金属製の消毒には不向きです。コストが安く0.1%で1000mlで5円という脅威のコストパフォーマンスです(病院用塩素系漂白剤使用時)。

次亜塩素酸ナトリウム(家庭用漂白剤)の使用上注意点

・他の薬剤と混ぜる事はしない。
pH値によって殺菌能力が変化する消毒剤である。
・希釈前はpH10位で、希釈してpH8.49である。
・主成分の次亜塩素イオンが、金属を酸化させて酸化鉄に。
・弱酸性まで水で希釈すると、濃度が非常に薄くなります。
・pH値調整の為の希釈濃度をキチンと守る事が大切。
・保健所によっては界面活性剤入りは不可の地域もアリ。
・製造年月が記載されているメディカルは塩素系漂白剤は購入不可。
・病院用塩素系漂白剤(6%)は購入可能。
・台所用塩素系漂白剤は不可とする保健所もあり。
・理容店では、布類の消毒がメイン。

 



 
 

 ・何故か愛されている脇役的存在~洗浄作用はありません。

 

細菌細胞膜の界面張力低下による膜機能の障害と、タンパク質の凝固と変形により殺菌する。陽性に荷電した逆性石鹸は、陰電荷を帯びる細菌に陽電荷を帯びる逆性石鹸が吸着されます。外膜は陽電子で構成されており、内外部の陰電子とのバランスにより構成されております。外側の陰電子を奪われる事により、外膜を構成させる陽電子に影響を及ぼし崩壊~溶菌(殺菌)させます。ただし、一般的な細菌、菌類(真菌)に対しての作用になります。金属腐食と、ゴムや樹脂を劣化させるので注意が必要です。
 

理美容店では白癬菌などの消毒対策程度の消毒薬ですが、消毒法では指定消毒薬の一つです。未だに愛されている理由としては、コスト面(0.1%で1000mlで約50円)と、殺菌効果の持続性です。保健所などでは、消毒済み用具の保存液として奨励されております。ただし注意したいのは、金属腐食と、ゴムや樹脂を劣化させ、容器内に道具を入れる際にタンパク質(脂や垢)が同時混入すると、そこに反応してしまいます。またそのような状態で長時間使用すると、溶液内で細菌が大量に発生するので交換時期は短めにする事が大切です。保管液としては事前に洗浄消毒をキチンとしておく事が前提です。特性から考えると、理容店では使用する環境は制限される一昔前の消毒液です。

逆性石鹸の注意点

・HIV/HBVウィルスには効果なし。
・タンパク質除去しなければ、効果半減の危険性。
・金属腐食や樹脂、ゴムの劣化作用あり。
・逆性石鹸とは非石鹸という意味。
・リンス剤や柔軟剤にも使用されている。
・保管液としても、汚染されてれば逆効果。
 

・医療業界では幅広く使用されていたが、最近では陰が薄い。

低濃度では細菌の細胞膜に障害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出(壊す)や酵素阻害を起こし、高濃度では細胞内のたん白質や核酸の沈着を起こすことにより殺菌作用を示します。クロルヘキシジン グルコン酸塩は陽イオン化合物です。細菌細胞膜の界面張力低下による膜機能の障害と、タンパク質の凝固と変形により殺菌します。陽性に荷電した、ヒビテンは陰電荷を帯びる細菌に陽電荷を帯びるヒビテン鹸が吸着されます。外膜は陽電子で構成されており、内外部の陰電子とのバランスにより構成されております。外側の陰電子を奪われる事により、外膜を構成させる陽電子に影響を及ぼし崩壊~溶菌(殺菌)させます。ただし、一般的な細菌、菌類(真菌)に対しての作用になります。

 

理美容店では白癬菌などの消毒対策程度の消毒薬ですが、消毒法では指定消毒薬の一つです。病院などでは、手指消毒なども含め広く使用されておりましたが、最近では陰が薄くなっているようです。エタノール溶液タイプのものは効果が幅広くなります。0.5%濃度の場合は、粘膜などに使用した場合は「ヒビテンショック」という強いアレルギー反応を起こす症例がでております。逆性石鹸を噴霧すると、シェービングソープ(石鹸)に影響がでるので、洗浄後のシェービングカップの消毒に使用しております。また、ワゴン上部や御客様毎に交換する道具皿(ステンレス皿)の消毒にも使用しております。コストも逆性石鹸よりも安く、0.05%で1000mlで32円になります。最近薬事法の関係で、ヒビテンも医療関係者しか購入できなくなりました。とりあえずネットで理容業という事で購入はできますが、そのような消毒薬が未だに消毒法に定められているのも疑問が湧きます。

ヒビテンの使用上の注意

・タンパク質除去しなければ、効果半減の危険性。
・逆性石鹸を使用していれば、保健所的には不必要の場合も。
・0.5%では粘膜付着によるアレルギー報告(ヒビテンショック)があるので要注意。